『清肺排毒湯』 「小柴胡湯」「麻杏甘石湯」「五苓散」「茯苓飲」「麻黄湯」山薬など

 『清肺排毒湯』は新型コロナウィルスに対して、中国で新しく作られた処方です。これは「傷寒(寒さに傷つき敗れる)論」の中の小柴胡湯、麻杏甘石湯、五苓散、麻黄湯、茯苓飲に山薬などを加味して成り立っています。
 風邪の治し方の基本は、皮膚の表面に止まっている風邪を、「桂枝」により体に負担を掛けずに追い出すか、表面の奥に入り込んでしまった風邪を「麻黄」で強制的に追い出すか、体内に入り込んでしまった風邪を「柴胡剤」などで和解して追い出すかです。今回の新型コロナウイルスはこの経過が一気に経過する「三陽(太陽・少陽・陽明)の合病」と考えられます。

 このような合病の処方として『柴葛解肌湯』という処方があります。「葛根湯」と「小柴胡湯加桔梗石膏」をほぼ合わせた処方です。スペイン風邪によく用いられ、効果を上げた処方です。

 「葛根湯」と「小柴胡湯加桔梗石膏」を合わせて服用することは、風邪のひき初めに重宝されています。しばしば著効がみられます。