アメリカ社会の分裂 2)人種対立で悪感情 

 北米大陸にイギリス人が入植を始めたのは、1607年である。その12年後には早くもアフリカから奴隷を輸入し始めて、
「人種差別」というアメリカ文明の癌細胞を創り出した。同時期に原住民(アメリカインディアン)の大量虐殺を開始した。
さらに19世中ごろになると対メキシコ戦争を実行して、メキシコ人からテキサス、コロラド、アリゾナ、ネバダ、カリフォルニア等の巨大な領土を奪った。つまりアメルかは建国のプロセスにおいて「人種対立という癌細胞」を内包する危険な国家を創ったのである。
 1980年代までアメリカ勤労者の8割は、白人であった。しかし其の後、白人比率は急速に低下して、現在は6割を切る状態になっている。現在、アメリカの18歳以下の人口の過半数は非白人であるが、2040年には国民全体の過半数が非白人となる。「非白人がアメリカのの過半数となる、アメリカ政治の主役は非白人となる」という不可避のトレンドが、アメリカの多くの白人に恐怖感と怒りを植え付ける結果となった。国内の人種構成が最近30年間で急変してきたことは、アメリカ社会の分列現象お加速させる大きな原因となっている。(つづく)